会社設立

2015年03月16日

日本居住の代表者がいなくても法人登記可能に(完)

ついにというか正式に、平成27年3月16日以降、代表取締役の全員が日本に住所を有しない内国株式会社の設立の登記及びその代表取締役の重任若しくは就任の登記について、登記が受理されることになりました。

法務省の案内ページ

株式会社と限定しているので、合同会社の代表者(代表社員又は代表社員の職務執行者)は、居住者要件はそのままなのだと思われます。

外国会社の営業所(支店)については、リンク先の通達と関係なく、会社法の条文で定められていますので、従来のままです。

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2015年03月03日

日本居住の代表者がいなくても法人登記可能に(続・続報)

今朝の日経新聞一面に「外国人だけで起業 政府が要件撤廃、今月中にも」という記事が掲載されました(電子版)。

今度こそ実現して欲しいです!

「3月中にも見直す」とありますが、実現すれば、昭和59年9月26日付民四第4974号民事局第四課課長回答が廃止され、日本に居住していなくても会社が設立できるということになると思われます。

以前の記事を読んでいない方は、あわせてお読みください。

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2014年12月24日

日本居住の代表者がいなくても法人登記可能に(続報)

前々回のブログ記事で、日本居住代表者がいなくても法人設立登記ができるようになる模様と書きましたが、詳細が平成26年12月1日開催の第4回投資促進等ワーキング・グループ議事録(PDF)で公開されています。

要約すると、

・外国企業の子会社等については、昭和59年9月26日付民四第4974号民事局第四課課長回答において、代表取締役の1名以上が日本に住所を有するものでなければならないとされているため、現在は役員全員が外国に住んでいる株式会社等の登記ができないが、これを廃止するか年内に検討し、廃止する場合は商業登記規則の一部改正案の施行時期(来年2月)と同時に、この回答を廃止する旨の通知を発出する。

・外国会社の支店については、会社法817条1項で「日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない」となっているので、すぐに(外国企業の子会社等と同時に)は難しいが、調査中で今年中に結論を出す。

・ビザについて、外国人が日本でビジネスをするため法人登記をするには、経営・管理(旧:投資・経営)の在留資格を取る必要があるが、そのビザを取得するための必要書類の中に、日本で運営する会社の登記事項証明書があり、鶏・卵のどちらが先かという悩ましい問題がありました(登記をするには事務所を借りて、居住者代表を選任しなければなりませんが、一人でビジネスをしようとする場合に、ビザがないので日本に来て賃貸契約をしたりすることができない)。これが、4箇月の経営・管理ビザを出すことにより、登記に先行して来日し、これら賃貸契約や銀行口座開設などが可能となる。ちなみに登記事項証明書の代わりに、定款等を提出することになるようです。

・外国会社の支店については、法改正が必要なため代表者の居住要件をすぐに廃止するのは難しそうだが、この4箇月ビザによって、住居の契約が可能となるため、法改正しなくとも事実上登記可能となる可能性がある(外国会社において、現在支店設置は要件ではなく、日本における代表者(日本在住)のみが要件となっています)。

ビザのほうは実現しそうですが、登記のほうははっきり結果が書かれていません。ただ、かなり前向きな感じではあります。年明けに結果が出ていると思いますので期待したいです。

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2014年12月02日

日本居住の代表者がいなくても法人登記可能に

F先生に教えてもらいましたが、年内に日本居住代表者がいなくても法人設立登記ができるようになる模様です。

法務省、外資系の登記規制を年内に廃止−日本居住の代表者がいなくても法人登記可能に

(まだ上記日刊工業新聞のニュースでしか確認できません)

今まで外資系企業が日本に子会社を作ったり支店登記をする際には代表者のうち1名以上が日本在住者である必要がありましたが、これが結構日本進出の足かせになっていました。

この改正が実現すれば外資の日本進出に弾みがつきそうです。

(2014/12/3追加)
代表者が日本居住者である必要がなくなっても、株式会社を設立するのであれば、日本の銀行口座に資本金を振り込まなければならないという課題が残ります。日本居住者が代表になるのならその人の口座を使えばいいのですが、誰も日本にいなくてもよいとなると、この点どう手当がされるのか気になるところです。

もし手当がされなかった場合は取り急ぎ現物出資で設立することになるのかと思います。

ちなみに合同会社の場合は資本金を入れるのは銀行口座でなくてもよいので、口座の問題はありません。

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2014年08月04日

みずほ銀行の法人モバイルバンキング

会社を設立すると必ず行うことの一つに銀行口座開設があります。

お客さんの利便性を考え、都銀に口座を作る方も多いと思いますが、個人と違い法人の場合はオンラインバンキングをするために毎月2,000円(+消費税)以上払わなければなりません。

起業したてで振込は月に数件という場合だと、2,000円はもったいないと考える方もいると思います。かといっていちいち入金確認のためATMへ行くのも面倒。

みずほ銀行はモバイルに限り無料でオンラインバンキングのサービスを行っています。ガラケー、Android、iOSで利用可能です。詳細はこちら

信金など月1,000円からで済む金融機関や、ネット銀行を使うという選択肢もあり、場合によってはそのほうが便利かもしれませんが、それはそれで制約もあります(海外からの送金を受け取れなかったり、送金が全部他行宛になるため、かえって振込手数料が割高になったりetc.)。

都市銀行のなかでは法人オンラインバンキングが一部でも無料なのはみずほ銀行だけかと思います。

なお、オンラインバンキングをバリバリ使おうという会社や、取引額の多い場合は、手数料だけでなく、使い勝手や必要とするサービスがあるか等、総合的な観点から銀行を選ぶことをお勧めします。

2014/8/7訂正
三菱東京UFJ銀行も、BizSTATION Lightという、残高照会・振込等に機能を絞った月額無料のオンラインバンキングサービスがあります。

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2013年12月02日

監査役の監査の範囲

先月末に閣議決定された会社法改正案で、監査役の監査範囲が登記事項になることが決まりました。ちなみにまだ法案の段階ですので、いつ法案が成立するか、そして施行されるかは未定です。

「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨」が登記事項になりました。

施行に伴い現行の会社の登記がどうなるのかまだよくわかりませんが、上記の表現の仕方からして、今から新規に監査役を置く株式会社の設立依頼を受けたときは、監査の範囲を会計監査に限定しないことにしておけば、改正法が施行されても登記の必要がないので、ベターなのかと思いました。

(当然ですが、監査役の監査範囲を会計監査に限定しないほうがよいかは会社の個別事情により異なると思いますし、施行されるに当たり登録免許税を不要とするなどの負担軽減措置が講じられる可能性もあるので、現時点ではなんとも言えない部分があります。)

Law library
Photo by Padraic

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2012年06月14日

会社設立後の銀行口座開設

会社を設立した方は、最低一つは銀行口座(信金等含め)を開設すると思いますが、取り急ぎ都銀について、必要書類の違いや各銀行のネットバンキングの特徴をまとめてみました。

りそな銀行とみずほコーポレート銀行は六本木に法人口座を扱う支店がないので調べていません。下記取扱いは主に六本木近辺の支店の話ですので、他の支店では違う扱いである可能性があります。また、時々状況が変わりますので、開設される前に電話で必要書類等を確認することをお勧めします。

法人の銀行口座開設の際、一般的には法人の履歴事項全部証明書・印鑑証明書・来店者の身分証明書(運転免許証等)が必要です。

みずほ銀行だけは印鑑証明書が不要でした。

<各銀行のネットバンキングの特徴>

みずほ銀行
・振込限度額が大きい(登録先は10億円、未登録は1億円)
・Macで使える(他の都銀はWindowsのみ)

三井住友銀行
・海外からアクセスできない(試していませんが説明書上そうなっています)

三菱東京UFJ銀行
・ネットバンキング(BizSTATION)の使い勝手がいい(らしい)。私自身は利用していないのですが、使っている人に聞くと評判がよいです。

利用料金は基本的なものであればどこも横並びで月2,100円です。但し、みずほ銀行は申込後、半年間無料になるなど細かな違いはあります。

最近はマネロン規制のため登記簿や印鑑証明以外にも、事務所の賃貸借契約や事業計画など追加書類を求められることも多いです。

口座開設を断られることもありますが、その場合は他の銀行に申し込むとあっさり開設できたりします

<番外編>
ゆうちょ銀行はネットバンキングが無料ですが、他の銀行に振り込む際、当然ながら他行扱いになってしまうので、費用の節約効果があるかは各会社によります。

<番外編その2>
ジャパンネット銀行は毎月の口座維持費が不要で、Macでも使え、振込手数料が安いので小規模企業にお勧めです。但し、会社のHPがないと法人口座が作れません。あと海外からの送金を受けられないのが弱点。

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2008年01月07日

オンライン申請で会社設立が5000円安くなります

今年1月からオンラインで登記の申請をすると、一部の登記の登録免許税が軽減されることになりました。

商業登記の場合は設立だけで、登録免許税の10%(最高5000円)が軽減されます。株式会社であれば通常15万円のところが14万5000円になります。定款認証が電子化で4万円安くなるのに比べるとちょっと微妙な金額ではありますが、安いに越したことはないですね。

参考:オンライン登記申請により登録免許税が軽減されます。

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2006年02月05日

失敗しない印鑑の作り方(会社実印編)

ブログに「会社設立」というカテゴリを作ったものの、法改正間近なこの時期に現商法の話を取り上げてもなぁ・・・と思い、しばらく何も書いていませんでした。

最近、会社設立と一緒に印鑑の発注を依頼されることが多く、なんだか自分がハンコ屋さんのような気分になってきましたので、きょうは印鑑のことを書いてみたいと思います。

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といっても、ネット上にあるハンコ屋さんのサイトで沢山説明されていますので、できるだけかぶらないようにします。

■はんこのサイズと記載事項

会社の実印として法務局に登録するためには、
  • 辺の長さが1cmを超え

  • 3cmの正方形の中に収まるもの
という制限があります。円形の三文判はふつう直径1cm以下ですので、会社実印として登録できませんが、楕円(縦長)のものは高さが1cm以上で登録可能なことが多いです。

形は丸でも四角でも構いませんが、会社実印の場合、中に円を書いて外周に社名、中に「代表取締役印」などと書くことが多いです(こんな感じ)。

NPOなど法人は法律上「代表取締役」が存在しませんので、「理事長印」などになります。

大きさはお店によって16.5mmや18mmなど各種あり、社名の文字数が多い場合は直径の大きい印鑑のほうがきれいに見えます(直径の小さいものにすると、文字が縦長で詰まった感じになります)。逆に、文字数が少ない社名の場合は大きな印鑑にすると字間がスカスカになったりします。

■手彫りと機械彫り

手彫りのハンコ屋さんは、手彫りの方が偽造しにくくておすすめだと言いますが、機械彫りでも印影は個々の印鑑によって違いますので(作るときに文字を微妙に変形させます)(※1)、簡単に偽造できるというわけではありません。そもそも「これと同じ印鑑を作ってください」と注文しても、ふつうは受けてもらえません。そういった注文を受けるのはかなりやばいハンコ屋さんで、値段も張るようです。

それに、印鑑自体ではなく印影をコピーするだけなら、手彫りの印鑑も機械彫りの印鑑も手間は変わらず、割と簡単に偽造できてしまうので(もちろん犯罪なので真似しないでください)、「偽造しにくいから手彫りの印鑑にする」というのはちょっと違う気がします。

手作りのものがいい、とか、手彫りのほうが印影に味がある、と考える方は手彫りの印鑑を選ぶとよいと思います。

■材質について

会社実印に使用する印材で一番安いのは柘、丈夫で長持ちして高級感もあるのが黒水牛で、通常はこの2つのうちのどちらかにする方がほとんどです。

めのうなど石の印鑑は朱肉の乗りが今一な気がしますので、実印のように登録する印鑑には向かないと思います。趣味の印鑑などによいのではないでしょうか。

落としても欠けないハイスペックなものが好きな方には、金属(チタン等)製の印鑑がおすすめです。

(※1)
安いハンコ屋さんの場合、手を抜いてデフォルトのレイアウトどおりの印影で彫るところがあるようです。その場合、同じハンコ屋さんに注文すると、何度頼んでも同じ印影の印鑑になってしまいます。ご注意ください。





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2005年05月29日

資本金の払込

会社設立ワンポイント(資本金の払込)

日比谷公園の噴水会社を設立するときの資本金は、現金と物(現物出資)のどちらでもかまいません。資本金が1000万円というのは、設立時の会社の財産が1000万円以上でしたという意味なので、現金でも物でもよいのです。

現物出資は不動産、パソコン、車など、物を会社に対して出資する方法ですが、今回は現金で出資する方法について説明します。

現金を出資する場合は、銀行、信金、労金等の金融機関(郵便局はNG)に対して、現金を払い込んで、払込金保管証明書を出してもらいます。

全くお付き合いのない銀行等に依頼しようとすると門前払いされることもありますので、個人的に住宅ローン、給与振込、公共料金引落しなどを利用している銀行に依頼した方がスムーズに事が運ぶと思います。できれば、会社設立を決めた時点で、払込手続を依頼しようと考えている銀行等と事前に話をしておいたほうがよいでしょう。その際、銀行での必要書類も確認しておいてください。

もしいくつか銀行等をあたってみても払込手続を引き受けてくれるところが見つからなかった場合、設立後の税務顧問を依頼しようとしている税理士さんがいれば、その税理士さんに払込を取り扱ってもらえる銀行等を紹介してもらうといいかもしれません。その他にも、いろいろやり方がありますので、悩んだときはご相談ください。

定款のコピー、印鑑証明書等の必要書類を提出して審査ののち現金を振り込む(金融機関によっては現金を持参)などの手続に大体3日〜1週間を要し、完了すると払込金保管証明書がもらえます。

これで払込の手続は終了です。銀行に預けたお金は、会社設立後に下ろすことができるようになります。

<おまけ>

本を見ると、よく金融機関の払込手数料は資本金の0.25%などと書いてあります(資本金1000万円の場合、税別で25,000円)。
都銀の場合はその倍ぐらい請求されることが多いようです。
最高は7万円位まで聞いたことがあります。
本当に0.25%の金融機関ってあるのかな? ということで、調べてみました。

仙台銀行は0.3675%(妙に細かいのは、税込だから)
JA安佐は0.25%+消費税+実費(実費がいくらなのか気になります)
協栄信用組合は0.2625%(税別だと0.25%ですね)
石動信用金庫も0.25%+消費税
豊田信用金庫も同様
蒲郡信用金庫は0.2%+消費税(安いですね)

そして今回調べた中で最安値は北上信用金庫の0.105%+3,150円でした。


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2005年05月05日

発起設立vs募集設立

株式会社の設立方法には、発起設立と募集設立という2つの方法があります。
いったいどちらを選んだらよいのでしょうか?

●発起設立

資本金全部を発起人(1人または複数)が定款作成前に引き受ける方法。例えばAB2人が発起人となり、Aが800万円、Bが200万円出資するとしたら、ABの出資額を入れて定款を作成します。募集設立より書類が少なくてすむので、少人数で会社を設立する場合にお勧めです。

これから起業する方がご自分で登記をしようという場合は迷わずこちらです。

●募集設立

定款作成時は発起人が資本金の一部を引き受けるだけにして、残りの株主は募集する方法。上の例でいえばAが定款で800万円を引き受けるが、残りの200万円は出資者を募って募集する場合です。募集といっても本当の意味での募集をすることは稀で、実際には株主はある程度内定していることが普通です。

発起設立と比べて書類も多くなりますし、少し面倒になります。

ではなぜ募集設立が使われるのか?

それは融通がきく方法だからです。

設立関係者が多くなると、会社設立の打ち合せを始めてから設立登記をするまでの間に、幾度となく内容(資本金額・本店所在地・商号・目的etc.)が変更されたり、もともと不確定のまま準備を進めることがあります。
これらが変わるたびに定款を作り直していたら、認証費用(約9万円)が無駄になってもったいないですし、また定款が無駄になるのを恐れて定款作成を先延ばしにすると設立手続全体の遅れにもつながります。

細かくなるので詳細は省きますが、設立登記直前まで設立事項の変更ができる便利な方法です(定款認証後も創立総会で設立前の定款変更ができるからです)。

株主が多い会社のほか、親会社に外国会社がある場合にもよく使われています。

●来春の会社法改正後

発起設立の場合は資本の払い込みに際して金融機関の払込証明書が不要となりますので、さらに便利になります。

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2005年05月02日

定款作成

会社設立ワンポイント(定款作成)

mm21定款の作成は実は奥が深くてそれだけで本が何冊も書けてしまうほどです。企業買収に対する対抗策を入れたりするのも定款ですし、株主総会の運営の仕方なども書かれていたりします。会社の基本事項を定めたもので、公証役場で認証してもらうことにより効力を生じます。会社を作るときは必ず定款を作成する必要があります。

定款はその会社にとって、必ず守らなくてはならない規則です。ただ、商法に強行規定があるときは商法が優先します。

手っ取り早くシンプルな定款のひな形が欲しいという方は、日本公証人連合会のサイトにあるものをお使いになるとよいと思います。当面、出資者一人のまま経営していくのでしたら、こういったものでよいかと思いますが、株主が多くなるにつれて、定款にもっといろいろな条項を入れた方が便利になります。これは資本金の少ない会社であっても当てはまります。

例えば、平成16年10月から株券不発行制度ができました。これは定款に株券不発行の条項を入れておくと、株式会社の株券発行義務がなくなるというものです。株主が2〜3人の会社では株券を発行していないことが多いのですが、株主から発行請求されると発行しなければなりません。小さな会社ではこれが結構な負担になります。実際問題この義務を守っていない会社が多いので、義務を免除する方向に商法が歩み寄ったのですが、この恩恵を受けるには、定款にきちんと記載する必要があるのです。

改正されて半年ほど経ちますが、書店に並んでいる会社設立の本をみても、定款に株券不発行の条項を入れているひな形はほとんどないようです。

このほか、特別決議の定足数規制緩和など、入っていると便利な条項はいろいろありますが、一般の本に載っているひな形は古い法律のまま改訂されていないものが多いです。こういった法改正をきちんと反映させたい方は、ぜひ一度司法書士など専門家に相談してみてください。

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2005年02月13日

商号の仮登記

ポルシェ

会社設立ワンポイント(商号の仮登記)

1月9日のブログのなかで、同一市町村内(東京なら同一区内)には、同一または類似する商号を持つ会社を作ることができないと書きました。しかし、事前に類似商号がないことを確認しても、類似商号調査後、登記申請前に他の会社が同じ名前で設立登記をしたらどうなるのでしょうか?

そうです。自分の会社の設立登記が受理されなくなってしまいます。実際、悪意を持った第三者が先に登記をしてしまったため、自分の会社の登記が類似商号にあたり、登記ができなくなってしまった例があります(東京ガス事件。最判昭36.9.29。本店移転のケースで)。

大企業の場合、設立登記をする前にマスコミに対し子会社設立の件を広報発表することも多いです。また、中小企業ほど機敏に動けないため会社設立までの期間がどうしても長くなります。もし類似商号があるために発表した商号を変えなくてはいけなくなると恥ずかしいことになってしまいます。これを防ぐために商号の仮登記の制度があります。

商号の仮登記とは、会社設立、商号変更、目的変更、本店移転にあたり、事前に商号を仮押さえしておく制度です。商号の仮登記をしてしまえばその商号が登記により保護されますので、第三者が同じ名前で登記をすることができなくなります。登録免許税だけで3万円かかり、保険と考えるには高いのですが、大企業中心によく使われています。

ただ、次回の商法改正では類似商号の規制が撤廃される予定ですから、この登記も1年後位にはなくなりそうです。

先に商号を使用している人の利益は不正競争防止法などで守られるので、登記上の規制はなくてもいいやということらしいです。今後は同じ商号の会社が近所にいくつも設立される可能性がありますので、気になる方は商標登録するなど今から対策した方がいいですね。

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2005年01月13日

目的を作成する

会社設立ワンポイント(会社の目的)

会社の目的とはその会社が何をする会社かを表すものです。目的として定めた事業以外、会社は行うことができません。

この目的を作成するにはいろいろ決まりがありますが、許認可等が必要な事業はパターン化されていて割と楽です。

人材派遣業なら、目的には

 1.労働者派遣事業
 2.×××

と定めます。派遣業には一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業があり、どちらを行うか明確にするために

 1.一般労働者派遣事業
 2.×××

と、区別して記載している会社もあります(「一般」と「特定」の違いについてはこちら)。ただ、私としては単に、「労働者派遣事業」とだけ入れておけばどちらの派遣業もでき、お得な感じがして好きです。

人材ビジネスをする会社はたいてい職業紹介も行いますので、通常はセットで

 1.労働者派遣事業
 2.有料職業紹介業
 3.前各号に附帯する一切の事業

と定めます。最後の3番は決まり文句と思って必ず入れてください。

それから、目的には業務内容を具体的に書くという決まりもあるのですが、業種によってどこまで具体的に書けばいいかは変わってきます。どちらかというと販売業は要件がゆるめ。製造業はより具体的に記載する必要があります。たとえば「車輌の製造」は具体性がないと法務局で判断されてしまいますので、自動車の製造というようにより具体的に書かなければなりません。ところが「車輌の販売業」は販売なのでOKといった具合です。

会社の目的を検討するときは、目的の事例集をよく使います。法務局で受理されている目的や不受理となった目的を集めたもので、これを読めば法務局の判断基準がわかります。会社の目的事例集を買うなら、まずはこれ↓

会社「目的」の適否判定事例集

次に、「会社の目的の適格性判断事例集」(財団法人民事法務協会名古屋支部発行)ですね。この2冊でOKとされている目的であれば、東京の場合、事前に相談しなくても受理されます。

ちなみに大阪の事例集でOKとされていても、東京では受理されない場合がありますので注意!

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2005年01月09日

類似商号調査

こんなビルに事務所が持てたらいいな♪

会社設立ワンポイント(類似商号調査)

会社を設立するにあたって、同一市町村内(東京なら同一区内)には、同一または類似する商号(=類似商号)を持つ会社を作ることができません。せっかく会社設立登記の申請をしても、類似する商号の会社がすでにあると、申請が受理されません。登記申請をする前に名刺や看板、挨拶状、会社の実印などを発注してしまうことも多く、もし登記申請後に受理されないことがわかると、印刷物を再度作り直さなくてはならなくなり、ダメージが大きいので、事前に調査するわけです。

なぜこんな規制が必要かというと・・・

あなたが来来軒というラーメン店を始めたとします。路地裏の小さな店ですがスープも麺も改良を重ねて行列が絶えない有名店にまで成長させました。

ある日街を歩いていると大通りに面したところに来来軒というラーメン店ができているではありませんか!!
店構えは少し違いますが、あなたの店の評判を聞きつけて遠くからやってきた人が、あなたの店と間違えて入ってくるようで、結構繁盛しています。全然関係がないのに勝手に店名を使われたくないですよね?

このように、商号(店名・屋号)は、ときに大変な価値を持つものですから、先に登記をした人の利益を保護しようということです。

ふう〜

前置きが長くなってしまいましたが、実際に調査をしてみましょう。

設立しようとする会社の本店所在地を管轄する法務局にいくと、商号調査簿が置いてあります。部屋の片隅に誰でも閲覧できるように置いてある場合もありますし、閲覧室の中だけで見ることができる場合もあり、法務局によって違います。

会社の商号リストがファイルされていて、自分の設立しようとする会社の商号と同一もしくは類似するものがないかチェックしていきます。

類似するかどうかは、商号の主要な部分を見て判断します。たとえば「有限会社とびうお出版」と「有限会社新とびうお出版」では、「新」のように営業の新旧を表す部分、「出版」のように営業の種類を表す部分は一般の人があまり注意を払わないだろうということで除外され、主要部分の「とびうお」が同じなので類似商号に当たります。

法務局の類似商号調査コーナーにはチラシが置いてあり、「新」「大日本」「ニュー」などを頭につけた商号についてもチェックしてくださいと書いてありますので、それを見ながらやれば最低限の調査はできますが、たとえば当地港区の場合、「ニュー○○」のページとかなり離れて「ニユー○○」の商号が並んでいるページがありますので、そちらもチェックする必要があるなど、ちょっとコツが要ります。

まだまだ注意事項を挙げればきりがないのですが、長くなりましたので今日はこのへんで・・・


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