議事録
2010年09月30日
取締役が株式譲渡当事者である場合の譲渡承認手続と利益相反
取締役が株式譲渡の当事者である場合に、譲渡を承認する取締役会で決議に参加できるかどうかについて、利益相反だから取締役会には参加できないと言っている方が多いと思うのですが、
根拠は?
と考えたとき、悩んでしまいます。
いつも利益相反について調べるとき使っている「利益相反の先例・判例と実務」という便利な本があるのですが、株式譲渡に関してはこの本には出ていません。
この本に出ていないということは、先例や判例にはなっていないのだなあとわかりますが、現実にこういった事案が沢山発生している以上、判断を放棄するわけにもいきません。
江頭憲治郎著「株式会社法(第3版)」227頁によれば「なお取締役が譲渡当事者である場合には、譲渡人・譲受人いずれである場合も、決議につき特別利害関係人(会社369条2項)に該当すると解するべきである・・・」と書いてあります。
さすが江頭先生、実務的な部分についてもきちんと触れていらっしゃいます。
ただ同時に、譲受人である取締役に限り該当するとの反対説もあると書かれています。
江頭説だと、
取締役ABCがいて、AがBに株を譲渡する場合、ABは特別利害関係人に当たるので、Cのみで決議するということになります。
(ABは決議に参加できない)
反対説だと、
取締役ABCがいて、AがBに株を譲渡する場合、Bだけが特別利害関係人に当たるので、AとCで決議することになります。
(Bだけ決議に参加できない。B以外の過半数で決議するので、ACは必ず決議に参加しなければならない)
両方兼ねるような議事録の作り方はできないんですよね!
もし将来最高裁の判断がなされたときに、一方が採用されるともう一方は無効??ということになり大騒ぎになりそうな。。。
私が不勉強なだけのような気もしますので、すっきり解説した文献などご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示いただければ幸いです。
利益相反の先例・判例と実務
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株式会社法 第4版
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根拠は?
と考えたとき、悩んでしまいます。
いつも利益相反について調べるとき使っている「利益相反の先例・判例と実務」という便利な本があるのですが、株式譲渡に関してはこの本には出ていません。
この本に出ていないということは、先例や判例にはなっていないのだなあとわかりますが、現実にこういった事案が沢山発生している以上、判断を放棄するわけにもいきません。
江頭憲治郎著「株式会社法(第3版)」227頁によれば「なお取締役が譲渡当事者である場合には、譲渡人・譲受人いずれである場合も、決議につき特別利害関係人(会社369条2項)に該当すると解するべきである・・・」と書いてあります。
さすが江頭先生、実務的な部分についてもきちんと触れていらっしゃいます。
ただ同時に、譲受人である取締役に限り該当するとの反対説もあると書かれています。
江頭説だと、
取締役ABCがいて、AがBに株を譲渡する場合、ABは特別利害関係人に当たるので、Cのみで決議するということになります。
(ABは決議に参加できない)
反対説だと、
取締役ABCがいて、AがBに株を譲渡する場合、Bだけが特別利害関係人に当たるので、AとCで決議することになります。
(Bだけ決議に参加できない。B以外の過半数で決議するので、ACは必ず決議に参加しなければならない)
両方兼ねるような議事録の作り方はできないんですよね!
もし将来最高裁の判断がなされたときに、一方が採用されるともう一方は無効??ということになり大騒ぎになりそうな。。。
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